ヘッドホンの商品ページで「オーバーヘッド」と「密閉型」が並んでいて、どちらを選べばいいのか迷っていませんか。
実はこの2つは、比べる相手ではありません。オーバーヘッドは頭への付け方の名前で、密閉型は耳を覆うカップのつくりの名前です。
ヘッドホンのオーバーヘッドと密閉型の違いを整理して、使う場所に合う組み合わせを選べるようにします。
オーバーヘッドと密閉型はヘッドホンの分け方が違う
オーバーヘッドは「形」、密閉型は「カップのつくり」で分けた呼び方です。
なので「オーバーヘッドか密閉型か」の二択にはなりません。
家電店に並ぶ大きなヘッドホンの多くは、オーバーヘッドで、しかも密閉型です。
2つの分け方を表にすると、次のようになります。
| 分け方 | 何で分けるか | 主な種類 |
|---|---|---|
| 付け方(形) | 頭と耳への付け方 | オーバーヘッド、ネックバンド、耳かけ |
| カップのつくり | 耳を覆う部分が閉じているか開いているか | 密閉型、開放型、セミオープン型 |
この2つを掛け合わせて「オーバーヘッドの密閉型」「オーバーヘッドの開放型」と呼ぶのが正しい見方です。
買うときは、まず形を決めて、次にカップのつくりを選ぶと迷いません。
オーバーヘッドのヘッドホンはオーバーイヤーとオンイヤーの2種類
オーバーヘッドのヘッドホンは、耳をすっぽり包むオーバーイヤーと、耳の上に乗せるオンイヤーに分かれます。
どちらも頭の上にバンドを通す点は同じです。
違うのは、イヤーパッドが耳のまわりに当たるか、耳そのものに当たるかです。
オーバーイヤー型は耳を包むので音漏れしにくい
オーバーイヤー型は、耳のまわりにパッドが当たるタイプです。アラウンドイヤー型と呼ばれることもあります。
耳そのものを押さえないので、長く着けても耳が痛くなりにくいです。
そのぶん本体は大きく、重さが250gを超えるモデルも珍しくありません。
オンイヤー型は軽くて持ち歩きやすい
オンイヤー型は、耳の上にパッドを乗せるタイプです。
本体が小さく軽いので、カバンに入れて持ち歩く人に向いています。
ただ、外れないように締め付ける力が強めなので、1時間以上着けると耳が痛くなるという声もあります。
ヘッドホンのカップは密閉型と開放型とセミオープン型の3種類
外で使うなら密閉型、家で長く聴くなら開放型が基本です。
カップのつくりは、音の聞こえ方と音漏れに直接関わります。
3つの違いをまとめると、次のとおりです。
| カップのつくり | 音の傾向 | 音漏れと遮音 | 向く場所 |
|---|---|---|---|
| 密閉型 | 低音がしっかり出る | 漏れにくく外の音も入りにくい | 電車、職場、図書館 |
| 開放型 | 高音が伸びて広がりがある | 漏れやすく外の音も聞こえる | ひとりで過ごす自宅 |
| セミオープン型 | 2つの中間 | 少し漏れる | 自宅で長く聴くとき |
密閉型はカップが閉じていて遮音性が高い
密閉型は、カップの外側がプラスチックや木などでふさがれています。
音がカップの中にこもるので、低音が強く感じられます。電車の中で聴いても、隣の人に音が届きにくいです。
気をつけたいのは、夏場に蒸れやすいことと、高音が少しこもって聞こえる場合があることです。
開放型はカップに穴があって聴き疲れしにくい
開放型は、カップの外側がメッシュなどで開いています。
音がこもらないので、ボーカルや楽器の音が広がって聞こえます。
そのかわり、音は外にそのまま漏れます。家族がいる部屋や夜の寝室では、思った以上に聞こえていることがあります。
セミオープン型は密閉型と開放型の中間
セミオープン型は、カップの一部に小さな穴を開けたタイプです。
低音のこもりを逃がしつつ、音漏れは開放型より少なめに抑えています。
自宅でオーディオブックや映画を長時間楽しみたい人には、この型も候補に入ります。
密閉型かどうかはヘッドホンの仕様表の「型式」を見る
カップのつくりは、メーカーの仕様表にある「型式」の欄に書かれています。
たとえばオーディオテクニカの仕様表では「密閉ダイナミック型」のように書かれています。
開放型なら「オープンエアー」や「開放型」と書かれていることが多いです。
一方で、オーバーヘッドかどうかは仕様表に書かれていないこともあります。
その場合は、商品写真でバンドが頭の上を通っているか、パッドが耳を包む大きさかを見てください。
有線のヘッドホンなら、ケーブルの長さも仕様表で確かめておきましょう。
テレビや電子ピアノにつなぐなら、3m前後あると座る位置を自由に決められます。
使う場所で選ぶオーバーヘッドの密閉型と開放型
家の外で使うなら密閉型、ひとりの部屋で使うなら開放型を選ぶのがおすすめです。
場所ごとの選び方は、次のとおりです。
- 通勤や通学の電車では、音漏れしにくいオーバーヘッドの密閉型
- 職場やカフェでの作業中は、まわりに音を出さない密閉型
- 自分の部屋で音楽や映画を長く楽しむなら、蒸れにくい開放型
- オンラインゲームで足音を聞き分けたいなら、外の雑音が入りにくい密閉型
- 電子ピアノの練習では、長時間でも疲れにくい軽いオーバーヘッド
オーディオブックを聴くなら、声が聞き取れれば十分なので、型よりも軽さと着け心地を優先してください。
寝る前にベッドで聴くなら、家族への音漏れが少ない密閉型が安心です。
ノイズキャンセリング付きのワイヤレスヘッドホンは、ほとんどがオーバーヘッドの密閉型です。
カップで外の音をふさいだうえで、残った騒音を逆の音で打ち消すしくみなので、密閉型と組み合わせると効きがよくなります。
電車や飛行機で聴くことが多い人は、この組み合わせを選ぶと音量を上げずに済みます。
密閉型のオーバーヘッドで蒸れと耳の痛さを減らす方法
密閉型の蒸れと痛さは、休憩とパッド選びでかなり減らせます。
密閉型は耳のまわりをふさぐので、どうしても熱がこもります。
次の3つを試してみてください。
- 1時間に1回はヘッドホンを外して、耳とパッドを乾かす
- 夏はパッドの表面が布やベロアのものを選ぶ
- 締め付けが強いと感じたら、バンドを少しずつ広げて調整する
メガネをかけている人は、つるがパッドに押されて耳の上が痛くなりやすいです。
パッドが柔らかくて厚みのあるオーバーイヤー型を選ぶと、痛さが出にくくなります。
ヘッドホンを買う前にオーバーヘッドと密閉型で確認する3項目
買う前に確認するのは「使う場所」「型式」「重さ」の3つです。
- 使う場所が外か家かを決める(外なら密閉型、家なら開放型も候補)
- 仕様表の「型式」の欄で、密閉型か開放型かを確かめる
- 長く着けるなら重さを見て、250g前後までを目安にする
オーバーヘッドと密閉型は、どちらか一方を選ぶものではありません。
形とカップのつくりを分けて考えれば、自分の使い方に合うヘッドホンが選べます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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