イヤホンの箱を開けたら、先に付いているゴムとは別に、大きさ違いのゴムが何個も入っていた。
そのゴムがイヤーピースです。付け替えるだけで、耳からの落ちにくさや低音の聞こえ方が変わります。
イヤーピースとは何か、イヤホンに合うものの選び方、サイズの確かめ方と交換の目安までを順番に紹介します。
イヤーピースとはイヤホンの耳に入る先端のパーツ
イヤーピースとは、カナル型イヤホンの先に付いている、耳の穴に入れる柔らかいパーツのことです。
お店や商品ページでは「イヤーチップ」と書かれていることもありますが、指しているものは同じです。
イヤホン本体から音が出る筒の部分を「ノズル」や「軸」と呼び、そこにイヤーピースをかぶせて使います。
イヤーピースの役目は大きく3つあります。
- 耳の穴をふさいで、外の音を入りにくくする
- イヤホンの音を、もれさせずに耳の奥へ届ける
- 耳の中でイヤホンを支えて、落ちにくくする
耳の穴の大きさや形は人によって違います。
だからイヤホンには、たいていS、M、Lのように大きさ違いのイヤーピースが付属しています。
最初からMサイズが付いていることが多いですが、そのまま使って合っている人ばかりではありません。
なお、耳の入り口に引っかけるだけのインナーイヤー型のイヤホンには、イヤーピースはありません。
イヤーピースの素材はシリコンとフォームの2種類
イヤーピースの素材は、ほとんどがシリコンかフォーム(ウレタン)のどちらかです。
イヤホンに最初から付いているのは、多くがシリコンのイヤーピースです。
【シリコン】洗えて長持ちするイヤホンのイヤーピース
シリコンのイヤーピースは、つるっとしたゴムのような手ざわりです。
水洗いできるものが多く、汚れても洗って使い続けられます。
音は高い音がすっきり聞こえやすいと言われていて、色や形の種類も多いです。
その代わり、耳の穴との間にすき間ができやすく、合わないと外の音が入ったり、落ちやすくなったりします。
【フォーム】耳の中でふくらむイヤーピース
フォームのイヤーピースは、スポンジのような素材です。
指でつぶして細くしてから耳に入れると、耳の中でゆっくり元の形に戻って、穴をふさぎます。
すき間ができにくいので、外の音が入りにくく、低い音がしっかり聞こえるのが特長です。
ただし、水洗いができないものが多く、シリコンより早く傷みます。
使う人からは、耳の中がふさがる感じが苦手という声もあります。
| イヤーピースの素材 | シリコン | フォーム(ウレタン) |
|---|---|---|
| 外の音の入りにくさ | ふつう | 入りにくい |
| 聞こえ方 | 高い音がすっきり | 低い音がしっかり |
| 水洗い | できるものが多い | できないものが多い |
| 長持ち | 長く使える | 早めの交換が必要 |
電車の中で外の音を減らしたい人はフォーム、手入れをラクにしたい人や長時間つけたい人はシリコンが向いています。
イヤホンに合うイヤーピースは軸の太さとサイズで選ぶ
別売りのイヤーピースを買うときは、まずイヤホンの軸の太さに合うかを確かめて、次に耳に合うサイズを選びます。
素材や見た目で選ぶのは、その後で大丈夫です。
【軸の太さ】イヤホンのノズルに入るイヤーピースか
イヤホンの軸の太さは、機種ごとに少しずつ違います。
別売りのイヤーピースの説明には、「φ4.5〜5.5mm」のように、付けられる軸の太さが書かれていることがあります。
軸が細いイヤホンに穴の大きいイヤーピースを付けると、耳から抜くときにイヤーピースだけが耳に残ることがあります。
反対に穴が小さすぎると、軸に入らないか、無理に押し込んで破れてしまいます。
商品の説明に対応する機種の一覧があれば、自分のイヤホンが入っているかを先に見ておきましょう。
【サイズ】イヤーピースのMサイズはメーカーで大きさが違う
イヤーピースのサイズは、S、M、Lの3つが基本です。
メーカーによってはSS、MS、ML、LLなどもあり、細かく6サイズに分かれているものもあります。
注意したいのは、同じMサイズでもメーカーによって大きさが違うことです。
今のイヤホンでMがちょうどよくても、別のメーカーのイヤーピースでは小さく感じることがあります。
迷ったら、全サイズが1ペアずつ入ったセットを選ぶと、買い直しが少なくて済みます。
【充電ケース】完全ワイヤレスイヤホンはふたが閉まるか
完全ワイヤレスイヤホンは、イヤーピースを付けたまま充電ケースにしまいます。
背の高いイヤーピースや大きいサイズに替えると、ふたが閉まらなかったり、充電が始まらなかったりします。
完全ワイヤレス用、TWS用と書かれたイヤーピースは、背を低くしてケースに入りやすくしてあります。
イヤーピースのサイズが合っているか確かめる3つの方法
イヤーピースのサイズが合っているかは、音を流しながら軽く口を動かして、低い音が変わらないかで確かめられます。
合っていないまま使っている人は多いので、一度だけでも試してみてください。
1 イヤホンで低い音を流して確かめる
ベースの音が入った曲を流して、イヤホンを少し押し込んだときに低い音が急に大きくなるなら、すき間があります。
押し込まなくても低い音がしっかり聞こえるサイズが、合っているサイズです。
2 口を開けたり首を振ったりして確かめる
あくびをするように口を大きく開けたり、首を左右に振ったりしてみます。
それでイヤホンが浮いてきたり、音が軽くなったりするなら、ひとつ大きいサイズを試しましょう。
30分ほど付けて耳が痛くなるなら、反対にひとつ小さいサイズにします。
3 イヤホンのアプリの装着テストで確かめる
イヤホンによっては、スマホの設定やアプリにイヤーピースの合い方を調べる機能があります。
AirPods Proは、iPhoneのBluetoothの設定にある「イヤーチップ装着状態テスト」で、左右それぞれが合っているかを表示します。
ソニーの一部のイヤホンも、専用アプリでイヤーピースのサイズを判定できます。
自分のイヤホンにこの機能があるかは、取扱説明書やアプリのメニューで見てみましょう。
イヤホンのイヤーピースの外し方と付け方
イヤーピースは、先を引っぱらずに根元を持って外すのが、破らずに付け替えるコツです。
先のほうだけをつまんで引っぱると、薄い部分がちぎれてしまいます。
イヤーピースの外し方
- イヤホンの本体をしっかり持ちます
- イヤーピースの根元の、軸にかぶさっている部分を指でつまみます
- 軸の向きにまっすぐ、ゆっくり引き抜きます
かたくて抜けないときは、根元に爪を軽くかけて、少しずつずらすと外れます。
イヤホンの軸へのイヤーピースの付け方
- 新しいイヤーピースの根元を指でつまんで、少しつぶして楕円にします
- その形のまま、イヤホンの軸に斜めから差し込みます
- 奥まで入ったら、指で一周なでて、根元が浮いていないかを見ます
奥まで入っていないと、耳から抜いたときにイヤーピースだけが耳に残ることがあります。
付け終わったら、軽く引っぱっても抜けないかを確かめておきましょう。
イヤーピースの交換時期は見た目と聞こえ方でわかる
イヤーピースは、破れやべたつきが出たときや、前より低い音が聞こえにくくなったときが交換のタイミングです。
使った日数で一律に決めるより、次のような変化があるかで見るほうがわかりやすいです。
| イヤーピースの状態 | シリコン | フォーム |
|---|---|---|
| 見た目 | 破れ、裂け目、色の変化 | 表面のぼろぼろ、ひび |
| さわった感じ | べたつく、かたくなった | つぶしても戻るのが速い、または戻らない |
| 付けたとき | 前より落ちやすい | 外の音が入るようになった |
フォームのイヤーピースは、耳の中でふくらむ力が弱くなると、すき間ができて音が軽くなります。
シリコンより早くこの状態になるので、予備を1ペア持っておくと替えるときに困りません。
シリコンのイヤーピースの洗い方
シリコンのイヤーピースは、イヤホンから外してから洗います。
- イヤーピースをイヤホンから外します
- ぬるま湯で、指でこすりながら耳あかを落とします
- タオルで水気をふいて、中の水がなくなるまでしっかり乾かします
- 乾いたら、イヤホンに付け直します
水洗いできるかどうかは商品によって違うので、取扱説明書で確かめてから洗ってください。
フォームのイヤーピースは、水で洗うと傷みやすいので、乾いた布で表面をふく程度にしておきます。
イヤーピースで迷ったらイヤホン付属のサイズ違いから試す
イヤーピースを買う前に、まずはイヤホンに付いてきたサイズ違いのイヤーピースを全部試してみましょう。
それだけで落ちにくさや低い音が変わり、別売りを買わずに済むこともあります。
付属のサイズでどうしても合わないときは、次の順番で選ぶと迷いにくいです。
- イヤホンの軸の太さに合うイヤーピースかを、商品の説明で確かめる
- 外の音を減らしたいならフォーム、手入れをラクにしたいならシリコンを選ぶ
- 全サイズが入ったセットを選び、左右それぞれで合うサイズを決める
- 完全ワイヤレスイヤホンなら、ケースにしまって充電されるかを確かめる
イヤーピースは小さなパーツですが、耳に直接ふれるイヤホンの部分です。
合うものに替えるだけで、同じイヤホンでも付け心地と聞こえ方が変わります。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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