ケーブルを挿さずにiPhoneを充電できると聞いても、自分の機種で使えるのか分かりにくいですよね。お店に並ぶ充電器にはQi、MagSafe、Qi2と書き方がいくつもあって、どれを選べばいいか迷う人が多いです。ここではワイヤレス充電器とは何かと、iPhoneの機種ごとの速さ、充電されないときの直し方を順番に書いています。
ワイヤレス充電器とは iPhoneを置くだけで充電できる台

ワイヤレス充電器とは、ケーブルをiPhoneに挿さずに、上に置くだけで充電できる充電器のことです。
充電器の中とiPhoneの背面に、それぞれ銅線を巻いたコイルが入っています。充電器のコイルに電気を流すと磁力が生まれ、その磁力をiPhone側のコイルが受け取って電気に変えます。
この仕組みを電磁誘導といいます。コイル同士が近くにないと電気が届かないので、置く場所が少しずれただけで充電が止まることもあります。
充電器そのものはコンセントにつなぐ必要があります。「ワイヤレス」なのはiPhoneと充電器の間だけ、と覚えておくと分かりやすいです。
有線の充電とワイヤレス充電器の違い
いちばん大きな違いは、Lightningや USB-Cの端子に何も挿さないことです。寝る前に枕元の充電器へ置くだけで朝には充電が済んでいて、ケーブルを探す手間がなくなります。
端子を何度も抜き差ししないので、端子のゆるみや断線を気にしなくていいのもワイヤレス充電の良いところです。
その代わり、充電の速さは有線の急速充電にかないません。とくに7.5WのQi充電器だと、20W以上の電源アダプタとケーブルで充電するより時間がかかります。
iPhone 8以降ならワイヤレス充電に対応
Appleの公式サポートでは、ワイヤレス充電ができるのはiPhone 8以降の機種と案内されています。
iPhone 8、iPhone X、iPhone 11、iPhone SE(第2世代と第3世代)も含め、iPhone 8より後に出た機種はすべてワイヤレス充電器の上に置けば充電できます。
反対に、iPhone 7やiPhone 6s、初代のiPhone SEはワイヤレス充電に対応していません。こうした機種で使いたい場合は、背面に貼る受信シートという別売りの部品が必要になり、Appleの案内からは外れます。
自分の機種名が分からないときは、iPhoneの「設定」から「一般」、「情報」と進むと「機種名」の欄に書いてあります。
QiとMagSafeとQi2の違いは磁石とワット数
3つの違いは、磁石でiPhoneにくっつくかどうかと、充電できる最大のワット数です。
Qiは置くだけで使えるワイヤレス充電の国際規格
Qi(チー)は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)という団体が決めたワイヤレス充電の国際規格です。iPhoneだけでなく、Androidスマホやワイヤレスイヤホンのケースにも使われています。
磁石は入っていないので、充電器の中心にiPhoneを自分で合わせて置きます。Appleの案内では、Qi認証の充電器でのiPhoneの充電は最大7.5Wです。
MagSafeはiPhone 12から使えるApple独自の方式
MagSafe(マグセーフ)は、iPhone 12から背面に入った磁石で充電器をぴたっと固定する方式です。コイルの位置が自動で合うので、置きずれで充電が止まることがほとんどありません。
iPhone 12から15までは、MagSafe充電器で最大15Wで充電できます。miniの機種は最大12Wです。
Qi2はMagSafeをもとに作られた新しいQi
Qi2(チーツー)は、AppleのMagSafeの仕組みをもとにWPCが作った規格です。磁石で固定でき、MagSafe充電器と同じように使えます。
Qi2のワイヤレス充電器は、iPhone 13以降の機種で最大15Wで充電できます(iPhone 13と14はiOS 17.2以降)。さらに速いQi2の25W対応の充電器なら、iPhone 16以降の機種で最大25Wまで上がります。
iPhoneの機種で変わるワイヤレス充電の速さ

同じワイヤレス充電器でも、iPhoneの機種によって出せる最大のワット数が違います。
下の表は、Appleの案内とメーカーの公表値をもとに、機種ごとの最大のワット数を並べたものです。
| iPhoneの機種 | 磁石付き(MagSafeやQi2) | 普通のQi充電器 |
|---|---|---|
| iPhone 8からiPhone 11、SE(第2と第3世代) | 磁石で付かない | 最大7.5W |
| iPhone 12 | MagSafeで最大15W(miniは12W) | 最大7.5W |
| iPhone 13から15 | 最大15W(miniは12W) | 最大7.5W |
| iPhone 16、iPhone 17、iPhone Air | 25W対応の充電器で最大25W | 最大7.5W |
| iPhone 16e | 磁石で付かない | 最大7.5W |
25Wで充電するには、充電器だけでなく電源アダプタも30W以上のものが必要です。Appleの案内では、25W対応のMagSafe充電器と30Wの電源アダプタの組み合わせで、iPhone 16以降の対応機種を約30分で最大50%まで充電できます。
手持ちの電源アダプタが5Wや12Wの小さいものだと、ワイヤレス充電器の性能を出しきれません。ワイヤレス充電器を買うときは、電源アダプタのワット数も一緒に見ておきましょう。
ワイヤレス充電器でiPhoneが充電されないときの4つの原因
置いたのに充電が始まらないときは、ケース、置く位置、熱、ケーブルの4つを順に確かめると多くの場合は直ります。
1 iPhoneのケースが厚いか金属が入っている
Appleの案内では、厚みのあるケース、金属製のケース、バッテリー内蔵のケースは外して充電するように書かれています。
手帳型ケースにクレジットカードや交通系ICカードを入れたまま置くのもやめておきましょう。iPhoneと充電器の間に物を挟むと充電が止まるうえ、カードの磁気ストライプが壊れることがあります。
2 ワイヤレス充電器の中心から置く位置がずれている
Qiの充電器は、iPhoneの背面の真ん中あたりを充電器の中心に合わせて置きます。画面を上にして、充電器を水平な台に置くのが基本です。
寝ている間に通知のバイブでiPhoneが動き、朝に充電されていなかったという声も多いです。気になる人は、夜だけおやすみモードにしておくと置きずれを防げます。
3 iPhoneが熱くなっている
バッテリーが熱くなりすぎると、iPhoneは80%から先の充電を止めることがあります。故障ではなく、バッテリーを守るための動きです。
ワイヤレス充電は有線より熱を持ちやすいので、日の当たる窓際や布団の上は避けましょう。ケースを外すと熱がこもりにくくなります。
4 iPhoneをケーブルで別の機器につないでいる
iPhoneは、USBでパソコンなどにつながっている間はワイヤレス充電されません。ワイヤレス充電器に置くときは、ケーブルを抜いてから置いてください。
ワイヤレス充電器が向いている人と有線が向いている人

毎晩決まった場所で充電する人には、ワイヤレス充電器がおすすめで、ケーブルを挿す手間がなくなります。
ワイヤレス充電器が向いている人
- 寝る前に枕元でiPhoneを充電するのが習慣の人
- デスクで仕事中にiPhoneを立てて通知を見たい人
- Lightningの端子がゆるくなってきて、ケーブルが抜けやすい人
- iPhoneとAirPodsのケースを同じ場所で充電したい人
有線の充電が向いている人
- 出かける前の10分で一気に充電したい人
- 充電しながらゲームや動画をよく見る人
- iPhone 11より前の機種で、7.5Wの遅さが気になる人
どちらか一方に決める必要はありません。夜はワイヤレス充電器、急ぐときは有線と分けて使う人が多いです。
これからワイヤレス充電器を選ぶなら、iPhone 12以降の機種の人は磁石で付くQi2対応のものを選ぶと、置きずれの心配がほぼなくなります。iPhone 11より前の機種の人は、普通のQi認証の充電器で十分です。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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