イヤホンの箱や説明に「ノイズキャンセリング」と書いてあるけれど、普通のイヤホンと何が違うのかよく分からない。
高いモデルほど付いている機能なので、本当に必要なのか迷いますよね。
ノイズキャンセリングイヤホンとは、周りの騒音を逆の音で打ち消して、音楽や動画の音を聞き取りやすくするイヤホンです。
ここでは仕組みと方式の違い、消える音と消えにくい音、使う前に気をつけたいことを順番に紹介します。
ノイズキャンセリングイヤホンとは騒音を逆の音で打ち消すイヤホン
ノイズキャンセリングイヤホンは、周りの雑音を打ち消したり、耳に入りにくくしたりして、聴きたい音だけを聞き取りやすくするイヤホンです。
「ノイズ」は周りの雑音、「キャンセル」は打ち消すという意味です。
雑音を減らす方法には、電気の力で打ち消すアクティブ方式と、耳をふさいで音を入れないパッシブ方式の2つがあります。
アクティブ方式は逆の波で騒音を打ち消す
アクティブノイズキャンセリングは、ANCと略されます。
イヤホンに付いたマイクが周りの音を拾い、その音と山と谷が反対になった波(逆位相の音)を作って一緒に流します。
山と谷が重なると波が小さくなるので、耳に届く騒音が減ります。
電気で音を作るので、電池を使い、価格も高めになりやすいです。
パッシブノイズキャンセリングはイヤーピースで耳をふさぐ
パッシブノイズキャンセリングは、PNCと略されます。
イヤーピースの素材や形を工夫して耳のすき間をふさぎ、外の音が入りにくくする方法です。
電池を使わず、ノイズキャンセリングの機能が無いイヤホンでも、耳にしっかり合っていれば同じ効果が出ます。
ただし低い音はすき間を通り抜けやすく、パッシブ方式だけでは減らしにくいです。
ノイズキャンセリングイヤホンの方式はマイクの位置で4つ
アクティブノイズキャンセリングは、マイクを耳の外に置くか内に置くかで、フィードフォワード、フィードバック、ハイブリッド、アダプティブの4つに分かれます。
表の下の方式ほど、雑音の減り方が大きくなりやすいです。
| 方式 | マイクの位置 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| フィードフォワード | イヤホンの外側 | 耳に届く前の音を打ち消す。低価格のモデルに多い |
| フィードバック | イヤホンの内側 | 耳の中に入った音を拾って打ち消す。低い音を減らしやすい |
| ハイブリッド | 外側と内側の両方 | 2つのマイクで打ち消す。電車や飛行機でよく効く |
| アダプティブ | 外側と内側の両方が多い | 周りの音や耳の形に合わせて強さを自動で変える |
通勤電車やバスで使うなら、ハイブリッド方式かアダプティブ方式のノイズキャンセリングイヤホンを選ぶと、走行音の減り方がはっきり分かります。
家の中や図書館など、もともと静かな場所で使うなら、フィードフォワード方式でも十分です。
方式は商品説明やメーカーのページに書かれていることが多いので、買う前に見ておくと選ぶときに迷いません。
ノイズキャンセリングイヤホンで消える音と消えにくい音
ノイズキャンセリングイヤホンがよく消せるのは、電車の走行音や空調のゴーという音のように、低くて同じ調子で続く音です。
反対に、人の話し声や、急に鳴る音、高い音は消えにくいです。
ノイズキャンセリングは雑音を完全にゼロにする機能ではなく、目立たなくする機能だと考えておくと、使ってからがっかりしません。
| 場面 | 減りやすい音 | 残りやすい音 |
|---|---|---|
| 電車やバス | 走行音、モーターの音 | 車内アナウンス、近くの人の会話 |
| 飛行機 | エンジンの音、機内の空調の音 | 機内放送、赤ちゃんの泣き声 |
| カフェや職場 | 空調、冷蔵庫、パソコンのファンの音 | 話し声、食器の音、キーボードの音 |
| 家の中 | エアコン、換気扇、洗濯機の音 | インターホン、子どもの声 |
服が耳のまわりでこすれる音や、イヤホンのコードが体に当たる音も、ノイズキャンセリングでは消せません。
人の声を消したいときは、ノイズキャンセリングをオンにしたうえで、小さく音楽を流すと気になりにくくなります。
ノイズキャンセリングイヤホンなら小さい音量でも聞き取れる
ノイズキャンセリングイヤホンを使うと、騒音に負けないように音量を上げなくて済むので、耳への負担を減らせます。
電車の中で普通のイヤホンを使うと、走行音に負けないように音量を上げがちです。
ノイズキャンセリングをオンにすると、いつもより下げた音量でも聞き取れる、という声が多いです。
音量を下げられると、音漏れも少なくなります。
ノイズキャンセリングイヤホンは耳栓の代わりにもなる
ノイズキャンセリングイヤホンは、音楽を流さずにノイズキャンセリングだけをオンにして使う人も多いです。
勉強や仕事のときに空調やパソコンの音を減らしたい、飛行機や夜行バスで眠りたい、という使い方です。
普通の耳栓より低い音が減りやすいので、エンジン音や走行音が気になる場面に向いています。
通話の声も相手に聞き取りやすくなるモデルがある
マイクを複数使って、自分の声だけを拾うようにしたモデルもあります。
駅のホームや外を歩きながら電話をすることが多い人は、通話のノイズ対策も書かれているノイズキャンセリングイヤホンを選びましょう。
ノイズキャンセリングイヤホンの弱点は電池の減りと耳の圧迫感
ノイズキャンセリングイヤホンの弱点は、電池が早く減ることと、耳がつまったような圧迫感が出る人がいることです。
どちらも使い方で軽くできるので、対処法と一緒に覚えておきましょう。
ノイズキャンセリングイヤホンはオンで電池が早く減る
アクティブノイズキャンセリングは、マイクと回路を動かし続けるので、オフのときより電池を多く使います。
商品説明には「ノイズキャンセリングオン時」「オフ時」と分けて再生時間が書かれていることが多いので、オン時の時間を見て選びましょう。
静かな場所ではオフにしたり、外音取り込みに切り替えたりすると、電池が長持ちします。
耳の圧迫感はイヤーピースと強さの設定で軽くできる
ノイズキャンセリングをオンにすると、エレベーターや飛行機に乗ったときのように耳がつまった感じがする人がいます。
これは低い音が急に減ることで起きるもので、慣れると気にならなくなる人が多いです。
それでもつらいときは、次の順番で試してみてください。
- イヤーピースのサイズを1つ小さくして、押し込みすぎないようにする
- アプリでノイズキャンセリングの強さを弱くする
- 強さを自動で変えるアダプティブのモードに切り替える
痛みや耳鳴りが続くときは、無理に使い続けず、耳鼻科で相談してください。
ノイズキャンセリングイヤホンは外では外音取り込みに切り替える
外を歩くときは、ノイズキャンセリングを切って、外音取り込み(ヒアスルー)モードに切り替えるのが安全です。
外音取り込みは、マイクで拾った周りの音をイヤホンから流して、イヤホンを付けたまま車の音や人の声を聞こえるようにする機能です。
ノイズキャンセリングがオンのままだと、後ろから来る車や自転車の音に気づくのが遅れます。
レジで会計するときや、駅のアナウンスを聞きたいときにも、外音取り込みに切り替えると、イヤホンを外さずに済みます。
通話用ノイズキャンセルとノイズキャンセリングイヤホンは別
電車や飛行機の騒音を減らしたいなら、商品説明に「アクティブノイズキャンセリング」か「ANC」と書かれたイヤホンを選びます。
「ENC」「cVc」と書かれたノイズキャンセルは、通話のときに自分の声のまわりの雑音を減らす機能です。
聴いている音楽の騒音を減らす機能ではないので、名前が似ていても別物です。
- 騒音を減らして音楽を聴きたい人は「ANC」「アクティブノイズキャンセリング」
- 電話の相手に声を聞き取りやすくしたい人は「ENC」「cVc」
- 両方ほしい人は、2つとも書かれているノイズキャンセリングイヤホン
ノイズキャンセリングイヤホンとは何かが分かったら、次は自分が使う場面を1つ思い浮かべてみてください。
通勤の電車なら走行音を減らせるハイブリッド方式、家で集中したいならフィードフォワード方式でも十分です。
使う場面が決まれば、方式と電池の持ちの2つを見るだけで、選ぶイヤホンがかなり絞れます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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