机に置いたモバイルバッテリーがカタカタ揺れる、ケースのすき間が開いてきた。
それは中の電池が膨張しているサインです。
膨らんだモバイルバッテリーは、ふつうのごみにも、お店の回収ボックスにも出せません。
ここでは、膨張に気づいた日にやることと、自治体やメーカーに出すまでの捨て方を順番に紹介します。
■膨張したモバイルバッテリーはごみにも回収ボックスにも出さない
膨張したモバイルバッテリーは、燃えないごみの日に出すのも、お店の回収ボックスに入れるのもやめてください。
膨らむのは、中のリチウムイオン電池が傷んでガスが出ているからです。
この状態で強く押されたり、ほかの金属に端子が触れたりすると、ショートして火が出ることがあります。
ごみ収集車は、集めたごみを中でぎゅっと押しつぶしながら走ります。
そこに膨らんだモバイルバッテリーが入ると、つぶされた拍子に発火し、収集車やごみ処理施設の火事になります。
環境省の集計では、リチウムイオン電池が原因とみられる収集車や処理施設の火災が、1年で8,000件を超えています。
家電量販店やホームセンターにある黄色い回収ボックスも、膨らんだものは入れられません。
膨張しかけのモバイルバッテリーに出る4つのサイン
見た目ではまだ分かりにくい段階でも、次のどれかが出ていたら膨張を疑ってください。
- 平らな机に置くと、真ん中を押したときにカタカタ揺れる
- ケースの継ぎ目にすき間ができている
- 電源ボタンが押しにくくなった、押したまま戻らない
- 充電中にいつもより熱くなる、甘いようなにおいがする
1つでも当てはまったら、その日のうちに使うのをやめましょう。
「まだ充電できるから」と使い続けるのが、いちばん危ない使い方です。
■モバイルバッテリーの膨張に気づいた日にやる3つのこと
膨張に気づいたら、充電をやめて、端子をテープでふさぎ、金属の缶に入れて置いておきます。
この3つをやっておけば、捨てる日まで家に置いておいても火が出にくくなります。
手順1 充電とスマホへの給電をすぐにやめる
まずケーブルを全部抜いてください。
充電するとさらに膨らみ、スマホにつないで使っても電池に負担がかかります。
本体が熱いときは、触らずに冷めるまで待ちます。
手順2 差し口をすべてビニールテープでふさぐ
USB-C、USB-A、microUSB、Lightningなど、本体にある差し口を全部ビニールテープでふさぎます。
ビニールテープは電気を通さないので、ほかの金属に触れてもショートしにくくなります。
セロハンテープやマスキングテープは、熱ではがれやすいので向いていません。
手順3 ふた付きの金属の缶に1つだけ入れて置く
せんべいやクッキーの缶のような、ふたの付いた金属の缶に入れます。
ほかの電池や小物と一緒に入れず、1つだけにしておきましょう。
置き場所は、玄関の土間やベランダの床のように、近くに燃えるものがない場所がおすすめです。
窓際や夏の車の中のように、熱くなる場所は避けてください。
缶のふたに「膨張したモバイルバッテリー」とメモを貼っておくと、家族が知らずに開けたり捨てたりするのを防げます。
■自治体の窓口に出す膨張モバイルバッテリーの捨て方
いちばん引き取ってもらいやすいのは、住んでいる市区町村の清掃事務所やクリーンセンターです。
膨らんだモバイルバッテリーの扱いは自治体ごとに違います。
「有害ごみ」や「危険ごみ」の日に出せるところもあれば、窓口に持ち込む形のところもあります。
膨張していても受け付ける自治体もあれば、受け付けずにメーカーへの相談を案内する自治体もあるので、出す前に必ず確かめてください。
- 市区町村のホームページで「モバイルバッテリー」「リチウムイオン電池」の出し方を探す
- 膨張したものの書き方が見つからなければ、清掃事務所に電話する
- 電話では「モバイルバッテリーが膨張している」「端子はテープでふさいである」と伝える
- 言われた日と場所に、缶に入れたまま持っていく
電話で状態を伝えておくと、受付の人が出し方をその場で教えてくれます。
持ち込むときも、袋に入れて振り回したりせず、缶のまま手で持っていくのがおすすめです。
■メーカーの回収に出す膨張モバイルバッテリーの捨て方
自治体で受け付けてもらえなかったときは、そのモバイルバッテリーを作ったメーカーに相談します。
Ankerやエレコム、サンワサプライ、CIOなどは、公式サイトでモバイルバッテリーの回収について案内しています。
自社の製品なら、膨らんだものでも回収の相談に乗ってくれるメーカーがあります。
回収の方法や送料、受け付ける製品の範囲はメーカーごとに違います。
- 本体に書かれているメーカー名と型番を控える
- メーカーの公式サイトで「回収」「リサイクル」の案内を探す
- 膨張していることを書いて問い合わせる
- 案内された方法で送るか、持ち込む
メーカーの回収を使うときは、型番でリコールの対象になっていないかも一緒に見ておきましょう。
リコールの対象なら、回収だけでなく交換や返金の対象になることがあります。
■家電量販店の回収ボックスは膨らんでいないモバイルバッテリーだけ
ヤマダ電機やビックカメラ、ヨドバシカメラなどの回収ボックスに入れられるのは、膨らんでいない、割れていないモバイルバッテリーです。
ボックスはJBRCの協力店に置かれていて、無料で使えます。
膨張品を店員さんに直接渡しても、店の判断で断られることが多いです。
どうしても店で相談したいときは、持っていく前に電話で聞いておきましょう。
| 出し先 | 膨張したもの | 膨らんでいないもの | 先にやること |
|---|---|---|---|
| 自治体の窓口 | 相談すれば受け付ける自治体が多い | 出せる | ホームページか電話で出し方を聞く |
| メーカーの回収 | 自社製品なら相談できる | 出せる | 公式サイトで回収の案内を見る |
| 家電量販店の回収ボックス | 出せない | 出せる | 端子をテープでふさぐ |
| ごみ集積所 | 出せない | 多くの自治体で出せない | 出さない |
膨らんでいないモバイルバッテリーを捨てるときも、残りの電気をスマホの充電などで使い切ってから、端子にテープを貼って出します。
■穴あけや塩水は膨張したモバイルバッテリーでは絶対にしない
膨張したモバイルバッテリーに穴を開ける、塩水に浸ける、分解する、押しつぶすの4つは、どれも火が出る原因になります。
「ガスを抜けば元に戻るのでは」と考える人もいますが、穴を開けると中のガスや液に火がつきます。
塩水に浸けて放電させる方法も、膨らんだものでは中まで放電しきれず、端子がさびてショートすることがあります。
- 針やカッターで穴を開ける
- 水や塩水に浸ける
- ケースを開けて中の電池を取り出す
- 手でつぶす、曲げる、上に物を載せる
もし煙が出たり火がついたりしたら、近づかずに119番に電話してください。
中で反応が続くので、水をかけてもすぐには消えないことがあります。
■次のモバイルバッテリーを膨張させない使い方
次のモバイルバッテリーを長く使うには、熱い場所に置かないことと、充電しっぱなしにしないことの2つを続けます。
- 夏の車の中や窓際に置きっぱなしにしない
- モバイルバッテリーを充電しながらスマホにも給電する使い方を長時間続けない
- しばらく使わないときは、残りを半分くらいにしておく
- 落としたあとに形が変わっていたら、使うのをやめる
- 本体にPSEマークとメーカー名が書かれているものを選ぶ
膨らんだモバイルバッテリーは、気づいたその日に充電をやめて、端子をテープでふさぎ、金属の缶に入れておけば、あわてる必要はありません。
そのあと住んでいる自治体の出し方を確かめて、受け付けてもらえなければメーカーに相談する。
この順番で進めれば、膨張したモバイルバッテリーも安全に捨てられます。
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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