オーディオアンプで音の違いは出る?差が出る条件と聴き比べ方

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アンプを買い替えたのに、前の音とあまり変わらない気がする。

反対に、お店で聴き比べたら別物のように違って聞こえた。

オーディオアンプの音の違いは、はっきり出る場面と、ほとんど出ない場面に分かれます。

違いが出る条件と、家で正しく聴き比べる手順を順番に紹介します。

オーディオアンプの音の違いが出るのは条件がそろったとき

デノン PMA-600NE

アンプの音の違いは、スピーカーに対して力が足りないときや、設計の考え方が大きく違うアンプ同士を比べたときに出やすくなります。

ふつうの音量で、歪みの少ないアンプ同士を比べた場合は、違いを聞き分けるのはかなり難しいです。

どちらのアンプか分からない状態で聴き比べると、経験のある人でも当てられなかった、という報告もあります。

まずは、アンプが中で何をしているのかを知っておくと、違いが出る理由が分かりやすくなります。

アンプの役目は小さな音の信号を大きくすること

CDプレーヤーやスマホから出てくる音の信号は、そのままではスピーカーを鳴らせないほど小さいです。

アンプはこの信号を大きくして、スピーカーのコーンを動かせる強さにします。

アンプという名前も、英語の「増幅する機械」から来ています。

プリメインアンプはプリアンプとパワーアンプを1台にしたもの

家庭で多く使われているのは、プリメインアンプと呼ばれるオーディオアンプです。

音量の調整や入力の切り替えをするプリアンプと、信号を大きくするパワーアンプが1台に入っています。

プリアンプとパワーアンプを別々にそろえる組み合わせもありますが、置き場所も配線も増えるので、初めての1台ならプリメインアンプで十分です。

アンプの音の違いがはっきり出る4つの場面

音の違いがはっきり出やすいのは、鳴らしにくいスピーカーを大きな音で鳴らすときと、アンプの種類やグレードが大きく違うときです。

自分の使い方が次のどれかに当てはまるなら、アンプを替えたときに違いを感じやすいです。

鳴らしにくいスピーカーを大きな音で鳴らすとき

アンプの力が足りなくなると、音の波形の山が頭打ちになります。

これはクリッピングと呼ばれ、音が割れたり、高い音がうるさく感じたりする原因になります。

小さなアンプで大きなスピーカーを鳴らしている人は、ふつうの音量でも意外とクリッピングが起きていることがあります。

この場合は、力に余裕のあるアンプに替えると、大きな音でも音が崩れにくくなります。

真空管アンプとトランジスタアンプを比べるとき

真空管アンプとトランジスタのアンプでは、出力インピーダンスと呼ばれる値がかなり違います。

真空管アンプは1〜6Ωほど、トランジスタのアンプは1Ωを大きく下回るものがほとんどです。

真空管アンプはスピーカーの特性の影響を受けやすく、同じスピーカーでも低音や高音の出方が変わります。

真空管アンプの音を「やわらかい」「あたたかい」と感じる人が多いのは、この違いも関係しています。

スマホ直結からヘッドホンアンプに替えるとき

スマホにもアンプは入っていますが、電池の持ちや本体の大きさの都合で、音にかけられる余裕は大きくありません。

鳴らしにくいヘッドホンをスマホに直接つないでいる人は、ヘッドホンアンプを間に入れると音量の余裕と音の厚みの違いが分かりやすいです。

グレードが大きく違うアンプを比べるとき

同じプリメインアンプでも、グレードが上がるとスピーカーを動かす力やノイズの少なさ、細かい音の聞こえ方が良くなる傾向があります。

ただし、出力のW数が大きいほど音が良いとは限りません。

W数の小さい機種のほうが値段が高く、音の作りに力を入れていることもあります。

A級とAB級とD級で音の違いより先に出るのは熱と大きさ

マランツ PM6007

増幅のしかた(方式)の違いで、まず分かりやすく差が出るのは、本体の熱さと大きさ、電気の使い方です。

音の傾向も方式で変わると言われますが、同じ方式でもメーカーやグレードによって音の作りが大きく違います。

方式だけで音の良し悪しを決めないほうがいいです。

方式 しくみの特徴 熱と大きさ 向いている人
A級 音が鳴っていないときも電流を流し続ける 本体がかなり熱くなり、大きく重くなりやすい 置き場所に余裕があり、音の作りにこだわる人
AB級 小さい音はA級に近く、大きい音では効率よく動く A級より熱くならない 家庭用のプリメインアンプを初めて買う人
D級 信号を細かいオンオフに置き換えて大きくする 熱が少なく、小さく軽く作れる 机の上やテレビの横に小さく置きたい人

A級のアンプは、音を出していなくても本体が熱くなります。

夏場に狭いラックへ入れると熱がこもりやすいので、上と横に空きを作って置いてください。

D級のアンプは、小さな本体でもしっかりした音量が出せるので、デスクで使う人に選ばれています。

オーディオアンプの音の違いを家で聴き比べる手順

アンプを聴き比べるときは、音量をそろえて、どちらのアンプか分からない状態で聴くのがいちばん大事です。

少しでも音量が大きいほうが、良い音に聞こえやすいからです。

見た目や値段を知っていると、その印象にも引っぱられます。

  1. スピーカーとケーブル、置き場所を同じにする
  2. トーンコントロールや音の補正をすべてオフにする
  3. 聴き慣れた曲を2〜3曲決める(歌の曲と楽器の多い曲を入れる)
  4. 同じ曲の同じ部分で、2台の音量がそろうようにつまみを合わせる
  5. 家族にアンプをつなぎ替えてもらい、どちらか分からない状態で聴く
  6. どちらが良かったかをメモして、何回か入れ替えて聴き直す

音量はつまみの位置ではなく聞こえる大きさでそろえる

アンプは機種によって、同じつまみの位置でも出てくる音の大きさが違います。

つまみの目盛りを同じにしても、音量はそろいません。

スマホの騒音計アプリで同じ場所から測り、数字が同じくらいになるように合わせると、ずれが少なくなります。

聴き比べは小さい音と大きい音の両方で試す

ふつうの音量ではほとんど差がなかったのに、大きな音にしたら違いが分かった、という人は多いです。

ふだん大きめの音で聴く人は、その音量でも必ず聴き比べておきましょう。

アンプのつなぎ替えは、必ず両方の電源を切ってから行ってください。電源を入れたままスピーカーケーブルを抜き差しすると、アンプやスピーカーを傷めることがあります。

アンプより先に見直すと音の違いが大きいところ

音を変えたいだけなら、アンプを替える前に、スピーカーの置き場所と音源を見直すほうが違いが大きいことがよくあります。

スピーカーの置き場所を壁から少し離す

スピーカーの背中を壁に付けていると、低音がこもって聞こえやすくなります。

壁から数十cm離すだけで、低音のぼやけが減ったと感じる人が多いです。

左右のスピーカーと聴く位置が正三角形に近くなるように置くと、歌が真ん中から聞こえやすくなります。

音源の質をそろえてから比べる

圧縮の強い音源と、CD以上の情報量がある音源では、それだけで聞こえ方が変わります。

ただし、ハイレゾ音源なら必ず音が良くなるわけではありません。

CD向けに作られた曲は、ハイレゾにしてもあまり変わらないことがあります。

アンプを比べるときは、同じ音源で聴くことを忘れないでください。

アンプの買い替えで音の違いを感じやすい人と感じにくい人

ヤマハ A-S301

スピーカーに対してアンプの力が足りていない人や、真空管アンプを試したい人は、買い替えで音の違いを感じやすいです。

違いを感じやすい人 違いを感じにくい人
大きなスピーカーを小さなアンプで鳴らしている 小さなスピーカーを小さな音で聴いている
大きな音で聴くと音が割れる 今の音量でも音が崩れない
トランジスタから真空管アンプに替える 同じくらいのグレードのアンプに替える
鳴らしにくいヘッドホンをスマホ直結で使っている イヤホンをスマホでふつうの音量で聴いている

違いを感じにくい側に当てはまる人は、アンプより先にスピーカーやヘッドホンを替えたほうが、音の変化は大きくなります。

レコードを聴きたい、テレビの音もつなぎたい、Bluetoothで鳴らしたいといった目的があるなら、音の違いより端子や機能の違いで選ぶのも1つの考え方です。

オーディオアンプの音の違いは、自分の部屋とスピーカーで、音量をそろえて聴き比べたときにいちばん正しく分かります。

まずは今のアンプで音が割れていないか、大きめの音で確かめるところから始めてみてください。

この記事のアドバイザー
電山タケル
元々は充電式のポータブル電源や電動工具分野の専門アドバイザー。現在はキッチン家電や生活家電、カー用品まで幅広く担当しています。「毎日使うものほど、扱いやすさで選ぶ」が持論。
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