「無料」と書いてあっても、ずっとタダなのか期間限定なのかで話がまるで変わります。
その違いと、お金をかけずに聴ける範囲をまとめました。
無料のオーディオブックには「ずっと0円」と「お試し」の2種類がある
検索して出てくる「無料」は、中身がぜんぜん違う2種類が同じ言葉で呼ばれています。
会員登録するだけでずっと聴けるものと、有料サービスのお試し期間です。
前者が青空朗読やkikubonの無料枠ですね。
後者はAudibleやaudiobook.jpの無料体験で、期間が終わると自動で月額課金に切り替わります。
この2つを混ぜて読むと「無料って書いてあったのに請求が来た」ということになります。
先に決めておくと迷いません。
- 1円も払いたくないなら、ずっと0円のサービスだけを見る
- 読みたい新刊が決まっているなら、無料体験を使う
- どっちか迷うなら、まず0円のほうで耳が本を受け付けるか試す

私も全部同じ「無料」だと思い込んでいて、お試しの終わりを忘れて1か月分払いました。
会員登録だけで0円のまま聴けるサービス
ずっとタダで聴けるサービスは、作品数より「何が置いてあるか」で選ぶことになります。
日本文学の朗読なら青空朗読、声優の演技つきで聴きたいならkikubonの無料枠ですね。
| サービス | 0円で聴ける量 | 置いてある本 | 会員登録 |
|---|---|---|---|
| 青空朗読 | 約1,470タイトル | 青空文庫の小説・随筆・童話。読むのはボランティア | いらない |
| kikubonの無料枠 | 927作品 | 名作小説・ミステリー・怪談。声優やナレーターの朗読 | いる |
| Audiobooks HQ | 1万2,500冊以上(無料分) | 洋書と海外ラジオの録音が中心。画面は英語 | いらない |
青空朗読はサイトに「約1,470タイトル」と出ています。
kikubonの無料一覧は927件で、9時間を超える長編もタダで最後まで聴けます。
これ、けっこうすごいと思いませんか。長編を1本聴くだけで通勤2週間分は埋まります。
正直に言うと、青空朗読は読み手がボランティアなので、声の当たり外れはあります。
プロの朗読に慣れた耳だと物足りない回もありますよ。それでも太宰治や芥川龍之介をタダで通しで聴けるほうが、私は得だと思っています。
無料体験がつくサービスの期間と月額をまとめて比較
お試しのほうは、終わったあとにいくら取られるかまで見ないと決められません。
日数が長いほど得とは限らなくて、月額と中身の組み合わせで見たほうが実態に合います。
| サービス | 無料体験 | 終わったあとの月額(税込) | 聴ける中身 |
|---|---|---|---|
| Audible | 30日間 | 1,500円 | 90万タイトル以上。俳優や声優の朗読と洋書が強い |
| audiobook.jp | 14日間 | 1,330円(年払いなら月833円) | 聴き放題1万5,000点以上。日本語のビジネス書が多い |
| himalaya | 30日間 | 750円 | 1万作品以上。語学とニュース系の音声が多い |
| flier | 7日間 | 2,200円(ゴールド) | 4,200冊超の要約音声。1冊10分くらい |
料金やキャンペーンはちょくちょく変わるので、登録画面の金額は自分の目で見てくださいね。
日数だけで比べると、30日のhimalayaが得に見えます。
でも日本語の新刊を聴きたい人には棚が薄いので、30日を持て余しちゃいます。
何を聴きたいかで、選ぶサービスは決まる
先に「何を聴くか」を決めてしまえば、無料の選択肢はほぼ勝手に絞られます。
サービスごとに置いてある本がきれいに分かれているので、悩む時間そのものが減りますよ。
名作小説をタダで聴きたい
青空朗読とkikubonの無料枠で足ります。
夏目漱石や宮沢賢治あたりは、有料サービスでも大した売りになっていません。
タダの棚を掘り尽くしてから有料を考えても、まったく遅くないです。
ビジネス書を通勤中に聴きたい
audiobook.jpかAudibleの無料体験が無難です。
日本語のビジネス書はaudiobook.jp、海外の話題作や洋書はAudible。だいたいこう住み分けています。
体験期間に聴ける冊数は、通勤の往復1時間なら2〜3冊が限界だと思っておくと計画がズレません。
英語で耳を慣らしたい
Audibleの洋書か、Audiobooks HQの無料作品ですね。
Audiobooks HQは画面が英語のままなので、日本語の本を探すのはしんどいです。
そのかわり著作権の切れた洋書の古典は、タダでいくらでも流せます。

聴きたい本を決めないまま登録すると、棚を眺めてるだけで日数が溶けますよね。
0円で聴ける作品が昔の小説ばかりな理由
無料の棚を見ていくと、太宰治や江戸川乱歩ばかり並んでいることに気づきます。
これは偶然ではなくて、著作権が切れた作品しか自由に朗読・配信できないからなんです。
文化庁によると、著作権が守られるのは原則で著者が亡くなってから70年。
もとは50年でしたが、TPP11協定に合わせて2018年12月30日から70年に延びました。
数え方も決まっていて、亡くなった年の翌年1月1日からカウントします。
この期間を過ぎた作品が青空文庫に集まって、そこから朗読されたものが青空朗読やkikubonの無料枠に流れてくる、という流れですね。
無料体験を0円のまま終わらせるコツ
タダのまま終われるかどうかは、登録したその瞬間にほぼ決まっています。
登録画面に出てくる課金開始日を、その場でカレンダーに入れちゃうのが一番確実です。
やることはこれだけ。
- 登録したらすぐ課金開始日を確認して、前日に通知が出るよう予定を入れる
- 聴きたい本を3冊まで先に決めて、ダウンロードしておく
- 続ける気がないなら、聴き終わった時点で解約しておく
解約しても体験期間の最後までは聴けるサービスが多いので、早めに手続きしても損しません。
気をつけたいのが月末締めのサービスです。
登録した月の末日まで無料、という仕組みだと、月末に登録したら数日で終わっちゃいます。
この形式なら月初に登録するだけで、同じ「無料」でも中身が10倍以上変わりますよ。
正直、解約ボタンの場所はどこも分かりにくいです。
アプリになくて、ブラウザの会員ページにしか置いていないこともあります。
登録した日のうちに解約画面まで一度たどり着いておくと、当日あわてずに済みますよ。

解約画面の場所を先に見ておく。これだけで無駄な支払いはほぼ消えます。
お金をかけずに耳読書を続けるなら、この順番
タダのサービスと無料体験は、順番に使うと取りこぼしが減ります。
まず青空朗読で耳読書が自分に合うか試して、続きそうだと分かってから有料のお試しに進むのが安全です。
耳で本を聴くのって、思っている以上に向き不向きがあるんですよね。
文字を目で追うほうが速い人もいれば、家事の途中に物語が入ってくると手が止まる人もいます。
先にタダで試しておけば、合わなかったときに何も失いません。
この順番なら、お金が動く前に自分の向き不向きが見えます。
合わないと分かった時点でやめても、使ったのは時間だけですね。

いきなり月額を払うより、タダで1冊聴き通してから決めるほうが納得できますね。
みすずさんオーディオブックと音声メディアを得意とするプロライター。配信各社の案内や実際の利用者への取材をもとに記事を書いています。聴く読書を始めたい人がつまずかないよう、料金と条件を具体的に書くことを心がけています。

